きたー!来ましたよー全国のいきなり団子ファンのみなさん!
2018年最初のおいもさんです!
いやー、やっぱり何でもそうですが、新物ってのはなんかいいものですね!
江戸っ子は初鰹を縁起物として食べていたそうですが、なんとなく新しい収穫物には、そういうエネルギーを感じますね。
長寿庵が去年収穫したサツマイモを最後に仕入れたのがちょうど1ヶ月ほど前。
契約農家さん手持ちのおいもさんをありったけ仕入れました。
例年の傾向からお盆前後にはイモが不足してくることが予想されたからです。
実際この前いきなり団子業界の寄り合いに行ったときも、イモ不足の話題が出ました。
一部の会社さんでは1ヶ月はお休みする!と決断されたみたいで……
いきなり団子業者にとってはサツマイモの供給というのは生命線そのものなんですよね。
だから各社独自のルートを持って仕入れを行っています。
長寿庵のいきなり団子は他社さんと比べると芋の歩留まりが悪いです。
おそらくおいもさんの50%は使えない部分として捨ててるイメージですね。
大変もったいない……
だからこそ、なるべく歩留まりがいい品(ある程度の大きさと良い形)を農家さんにお願いしています。
切り方にも工夫をしていて、なるべくもったいないことをしないように製造スタッフが頑張っています。
やっぱり農家さんが一生懸命作ってくれたものをホイホイとは捨てられませんよね……
なんとかこの捨てられている部分も有効活用していきたいのですが……
そうすればおいもさん不足も少しは解消してくんじゃないかと思います!
しかし、本当に今年の夏は暑かった。
どのくらい暑かったかと言うと契約農家さんが
「暑くて畑に出とる場合じゃなか」
と言ってしまうくらい。
7月末に仕入れたおいもさんが底をつくのが8月半ば。
その頃になれば、試掘、試し堀りをするという話でした。
そのギリギリのタイミングを狙って仕入れも計算したのですが、この暑さは計算外でした。
実際暑かったですもんね……確かに農家さんがも畑に出て作業なんかできるはずがない。
それで少し涼しくなった今のタイミングで
「どぎゃんですか?そろそろ掘んなはったですか?」
とこちらから水を向けたら
「うーん……ちっとならあるバイた」
というお返事が!
ということで昨日今日と大津へと回収に向かったわけです。
今回収穫されたおイモさんは「べにはるか」。
栽培のしやすさ、単位面積あたりの収量、官能評価どれをとってもそれまで開発されたサツマイモの性能を遥かに凌駕するという理由からついた「はるか」の名前。
実際、いま日本で流通しているイモのなかではダントツで売れてるんじゃないでしょうか。
これまで熊本で生産の主流だった「高系14号」はあっという間に駆逐されてしまった感が……
しかし、べにはるかにも欠点があるんです。
それは
「蒸し芋にすると、ホクホク感を失う」
ということ。
つまり
「いきなり団子には不向き」
なんです……
かといって農家さんにリスクを取ってもらって高系14号ばかり生産してもらうわけにも行きません。
だから長寿庵ではべにはるかと高系14号を使い分けているんです。
具体的に言うと、
「新芋の段階ではまだデンプンの糖化が進んでおらず、比較的ホクホク感を残しているべにはるかを利用」し、
「ある程度時期が進めば、貯蔵によってデンプンの糖化が進み、ホクホク感と甘みのいいバランスになった高系14号を使う」
という使い分けです。
いきなり団子にとって中身のサツマイモは生命線。
お客様からご指摘を受ける内容も
「今年はイモがヤワかね」
「芋の甘味が足りんごたるね」
と言ったものが多いです。
掘ったばかりの新芋だと、どうしてもデンプンが糖化(甘くなる)してないため、甘みが足りない場合が多いです。
なので、かつては新芋が出てもある程度貯蔵したものを利用していました。
しかし、糖化が進むと芋が柔らかくなりすぎる「べにはるか」が主流になった今、新たな対策が必要になってきてるんですね。
長寿庵は可能な限りその季節で最高のものを提供したいと考えております。
まだ仕入れてきたばかりなので、すぐに店頭に並ぶことはございませんが、店頭に並ぶタイミングが来ましたら改めてお知らせいたしますね。
お盆も過ぎて間もなく秋がやってきます。その頃になれば新芋のいきなり団子をお試しいただけると思います。
ご期待下さい!